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書き置きなんてずるいと思う。
喧嘩をして、僕の目の前から怒って出て行ったのなら、納得出来るけど・・・。
僕の知らない間に君が消えている・・・。始めから無かったみたいに・・・。目覚める直前に見ていた悪い夢の様に・・・。
僕は君の手紙を読むのが好きだった。
君の文字も愛しかったし、面と向っては言えない事も、手紙には書かれていたから・・・。
本当の君が、そこには居る気がしていたから・・・。
でも今は、そんな君の手紙が僕の総べてを壊している。
手紙の中の本当の君が、僕を苦しめる。
「嫌いになったんじゃない」なんて
そんな言葉、僕には判る筈も無い。
何も判らず、唯、君だけがいない・・・。
雨の中、傘を持たずに僕は街を歩いた。君が帰って来るんじゃないかって
いつもの駅の改札でしばらく待ってもみた。買い物をした商店街も歩いてみた。
でも、君はどこにもいない。
僕の右肩に触れている筈の君の肩も、暖かい手も、今は無い。
街灯の点もる街を歩きながら、僕は考えていた。
君の書き置きへの返事は、どこへ出せばいいのだろうかと・・・。
僕に降る雨は永遠に止まない・・・。
Photo by Nozomi
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