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「ウタ」奥華子
 奥華子さんを初めて見て聞いたのは、About This Siteにも書いた様に、吉祥寺のライブハウスだった。
 男の子の様なショートカットで、ふわりとグランドピアノの前に座った奥華子さんは、あの歌声で何曲かを歌い上げた。その後のMCで静かに口を開いたのは、富士山に登った話だった。その話には特別面白い「オチ」がある訳でも無く、唯、淡々と登った時の気持ちを話しただけで、話し方も何処か不馴れな感じがしたが、それは逆に"奥華子"という女性の誠実さを表している様に思えた。そんな雰囲気は、奥華子さん自身の作る歌にも現れていると思う。恥ずかしながら僕自身、随分前の話だが、作詞家を目指して勉強していた時期があった。その時、学んだ事と比べると、奥華子さんの歌詞(うたし)には、作詞の黄金率の様なものから外れた言葉の表現も多い。しかし、御存じの様に、それが奥華子の「ウタ」として、これ程迄に人を惹き付けるものとなっている。僕があの時に必死になって習っていた事は、何だったんだろうとさえ思う。飾らない、格好を付けない言葉達が、聞く者の心の琴線をかき鳴らす。
 「うた」という言葉には幾つかの表現がある。「歌」「詩」「唄」「唱」「詠」「謡」「謳」・・・。奥華子さんの携帯サイトのタイトルは「奥華子のウタ」。奥華子さんの歌詞、楽曲の独特の世界はそのまま「ウタ」と呼ぶのが相応しい気がする。
 今日、26日に発売されたばかりの初の全国発売Single「花火」を聞く為に、久しぶりにオーディオセットに火を入れた。PCでは無く きちんとした音で聞きたかったからだ。
 新しい奥華子さんの「ウタ」は、切なく懐かしい想いを胸の中に蘇らせてくれた。
2004.8.29書く
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